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2012年8月15日水曜日

市営住宅家賃減免改悪(3)値上げの決まり文句

 札幌市議会建設常任委員会で、市営住宅家賃の減免(とくに所得の少ない人の家賃を引き下げる制度)を縮小し、値上げすることについて、反対する立場で質問しました。

 札幌市都市局長は、「住まいの協議会」で、「サービスを受ける市民と受けない市民の公平性の確保」が必要である旨の発言をしています。


 現状で、「不公平」状態にあるのでしょうか?
 収入が少ない人に、家賃値上げを迫らなくてはならないほど、「不公平感」が噴出しているのでしょうか?

 私は、「市民の声を聞く課」に、「この1年間で、市営住宅の家賃や減免制度について、『安すぎる』という声が寄せられたことがあるのか」と聞きましたが、「そういう声は1件もありません」と明確な返事でした。

 念のため、オンブズマンにも聞きました。「市営住宅に関する苦情は4件ほどありますが、いずれも、管理の悪さや近所の騒音などで、『家賃が安すぎる』という申し立ては1回もありません」というのです。

 では、都市局長は、なぜ「公平の確保が必要だ」、つまり、「家賃を値上げしなければ不公平だ」という趣旨のことを言い出したのでしょうか。

 「サービスを受ける市民と受けない市民の公平性の確保(同じ意味で「受益者負担」と言うこともあります)」というのは、市役所の値上げの口実であり、値上げの際の決まり文句なのです。



 たとえば、区民センターの部屋を借りたとします。
 部屋の維持管理や光熱水費は、税金が充てられます。
 区民センターの部屋を利用する市民もいれば、利用しない市民もいるので、ただで使わせると不公平だ。利用している人から、適切な使用料を取ることで公平になる ・・・ というような考え方です。

 私は、「市民が誰でもタダで利用できる」というなら、不公平にはならないと思いますが。

 新潟県長岡市の再開発ビルを視察した時、「市民は無料で部屋を借りることができます」と説明されました。
 札幌市役所の言う「お金を払えば公平になる」論が本当なら、長岡市の再開発ビルは、「タダで使わせるとは不公平だ!」という苦情が殺到するはずですが、そんなことはないのです。
 「受益者負担論」は、要注意です。

 私は、「受益者負担」をすべて否定するわけではありません。
 市の施設やサービスを利用して、営利行為を行なう場合、たとえば、市の○○センターを使って展示即売会などをやるような場合は、明らかに利益を手にするわけで、「受益者負担」を適用すべきです。
 あるいは、営利行為ではなくても、市役所に大変な労力をかけることになる特別なサービスの場合も、有料サービスという事もあるかもしれません。

 しかし、今回の家賃値上げについて、市民の中に「不公平感」などは無く、「決まり文句を持ち出して値上げしようとしている」ということではないでしょうか。



 「伝家の宝刀を抜いてみたら錆びていた」ということもあるのでは?
 

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