今回は、市長の政治姿勢についての質問の第2点目の質問です。
質問の第2は、ヘイトスピーチについてです。
国連人種差別撤廃委員会は8月29日、日本に関する総括所見(最終見解)を発表し、人種差別を扇動するヘイトスピーチに対して、日本政府が断固として対処するよう、法規制を含む対応を勧告しました。
特定の民族や個人に対し、差別や人権を侵害する言葉を叫びたてる行為は、それ自体が許されない問題であり、「表現の自由」とは次元が違うというのが世界の流れです。
国際都市札幌をめざす本市として、ヘイトスピーチを許さず、アジアと世界の人々との信頼と友好を発展させる立場を、「条例」または「宣言」でアピールすることは、今日、きわめて重要と考えます。市長の見解を伺います。また、国に対して、ヘイトスピーチへの法規制を実施するよう求めるべきと考えますが、いかがですか。
また、北星学園大学の非常勤講師に対する攻撃が問題になっています。その教員が、かつて朝日新聞記者であった時に書いた記事に問題があるという不当な理由で、現在、勤務している大学に対して攻撃が行われています。
マスコミの報道では、「なぶり殺しにしてやる」、「辞めさせないと学生を痛めつける」、「ガスボンベ爆発だ」などの、脅迫状やメールが集中し、日常業務に支障をきたす状況です。
このような不当な攻撃が、大学の自治と自由を侵害することは許されません。
さらに、攻撃はエスカレートし、ネットで大学講師の娘さんの実名と顔写真をさらし、「死ねばいい」、「日本から出ていけ」とまで言っているようです。
市長は、北星学園大学講師へ、このような攻撃が行われていることをご存知ですか。許されないことだと思うのですが、市長の見解を市民の前に明らかにしてください。このような攻撃に屈してはならないという激励を、本人と大学に伝えるべきと思いますが、今後、どういう行動をとるのか、明らかにしてください。
上田市長答弁
政治姿勢の2点目、ヘイトスピーチについてお尋ねございます。
ヘイトスピーチは、人間として誠に恥ずべきことでございます。
極めて遺憾であるというふうに認識しております。
市民の皆さん方も、この、札幌という良識に満ちた市民の皆さんも同様であると私は信じております。
特定の人種や民族を否定することは許されるものではなく、国においては、規制に関する動きもありまして、その動向をしっかりと注視しているところでございます。
札幌市では、「札幌市国際戦略プラン」の大きな柱の1つでございます多文化共生社会の実現を目指し、さまざまな施策を行っているところでもございます。
アジアや世界の人々との信頼と友好を発展させていくためにも、市民一人ひとりが、より一層、人種や文化などの多様性を尊重し、共生ができるまち、まちづくりを進めていかなければならないと、こんなふうに考えているところであります。
また、議員からご指摘のありました、北星学園大学の非常勤講師に対する一連の動きにつきましては、私も一部マスコミ等の報道を読ませていただいておりますので、そのような行為が、当然のことながら許されるものではない、具体的には脅迫罪、あるいは威力業務妨害、刑法犯でございます。
警察当局がしっかりとした取締りをすることは当然のことであるというふうに思いますし、北星学園大学におきましては、このようなものに屈してはならないということを、エールをおおくりしたいとこのように思います。
繰り返しになりますが、さまざまな人々が、お互いを尊重し合い、共生できるまちづくりをすすめていかなければならないと、このように考えているところでございます。
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この後、上田市長は、北星学園大学に電話で激励を行なったと聞いています。
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