日本の学校の先生は、世界でもっとも長時間の仕事をしており(OECD比較)、異常な忙しさです。
期限付き(多くは1年間)の教員がいますが、正規教員と同様に、担任を持ち、部活動も指導していることもあります。
とても多忙な仕事をしながら、「翌年こそ本採用されるように」と、受験勉強もしなくてはならないのです。
私は、期限付きとして採用される人数の一部を、正規雇用にすることができるはずだと、具体的な日程を確認しつつ、追求しました。
***質問全文は以下をごらんください***
【教育①多忙】
私は、教員が多忙である問題、それから期限付き教員が多い問題について、順次質問いたします。
まず、多忙であることについて2点うかがいます。
今年6月、新聞で一斉に報道されたのですが、OECDが参加34か国について、教員の状況などの調査を行いました。
日本の中学校の教員が他国に比べて突出して多忙であるとともに、疲弊していることが明らかになりました。日本の教員が余裕がなく、自己評価が低いとのことであります。
たとえば、日本の教員の1週間の勤務時間は、OECD平均38.3時間なのに対し、53.9時間で最長でありました。
事務作業は、OECD平均2.9時間に対し、日本は5.5時間。
課外活動指導は、平均2.1時間に対して、日本は7.7時間であります。
まず、日本の教員の現状についてのOECDの調査を、本市教育委員会はどのように評価しているのか、うかがいます。
また、本市で行った調査についてです。
本市では、2007年平成19年「教育職員の勤務実態調査」を行っております。
一昨年の12月、わが党の代表質問に対し、教育長が「教育職員負担軽減検討会議を設置いたしまして、負担軽減に向けた具体策を取りまとめ、取り組みを進めているところであります。その一つとして、来年度から校務支援システムの運用も予定しておりまして、今後の実態把握につきましては、それらの取り組みの進状況を踏まえて検討してまいりたい」と答弁しております。
そこで2点目の質問ですが、本市における教員の負担軽減の具体策としては、どのようなことを行ったのか、その結果、見るべき成果があがっているのか、うかがいます。
【教育②多忙】
日本の教員は異常と言うほど忙しいということは明らかですし、教育委員会としてもそれを認めており、対策を取ろうとしているのですが、これと言った成果は上がっていないというのが実感です。
OECDの調査結果について毎日新聞は、「特別な支援を必要とする生徒への指導能力」などが備わった教員が足りない、と感じている割合が日本では高いのだ。背景には、業務の多さ、勤務時間の長さが上げられている・・・教員の多忙解消策はすでに各地の学校や教育委員会に取り組み例がみられるが、国全体として、可能な事務の外注化、共同化などを徹底すべきだろう。定数増も不可欠だ」としています。
学校教育費をGDP比率で比べると、日本の財政支出はOECD34か国中で最低であり、一方各家庭の負担割合は韓国、チリ、アメリカに次ぐ、第4位になっています。つまり、国は教育にカネをかけず、家庭任せにしているということです。
もっとも重要なことは、国として対策に本腰を入れることだと思いますが、市としても国への働かきかけをいっそう強めるべきであります。
また、私は、教員を中心に、スクールカウンセラー、事務を補助するものなど、人を増やすことが最も決定的に重要だと思いますが、本市教育委員会の見解と、国への働きかけについてうかがいます。
【教育③期限付き】
前段で申し上げたように、教員の仕事は多忙を極めている。
期限付き教員の場合、多くは、正規教員として採用されることを希望していると思う。
まず、本市で期限付き教員として働いている方の多くは、本市の採用試験を受けたが合格できなかったとか、翌年の採用試験を受けるですとか、正規教員として働きたいと考えている方が多いのが実態だと思うのですが、いかがですか。
【教育④期限付き】
私がうかがっているところでは、期限付き教員でも若い方は、ほとんど例外なく正規教員を希望し、翌年の採用試験を受けているようです。
先ほどの質問でも明らかにしましたように、教員は大変な多忙であります。過労死ラインを超える残業の人も多数いるのであります。
期限付き教員の方でも、担任ももち、部活動の指導をしている方もいるのです。
そういう責任が重く、殺人的に忙しい仕事をこなしながら、翌年の採用試験に向けた受験勉強をしなければならない、採用試験に合格しなければ雇止めになり失業するかもしれないというのが期限付き教員の苦しい立場なのです。そういう不安定な立場で、教員の仕事と受験勉強の板挟みにあっている先生に教わる子どもも、本来翌年度も担任が繰り上がる場合でも、1年間の期限付き教員のために担任が変わってしまうこともあります。
期限付きというのは、本人にとっても、児童にとっても大変だと思うのですが、この点について教育委員会はどう認識していますか、うかがいます。
【教育⑤期限付き】
これまで、教員の定数欠については、期限付き教員ではなくて、正規教員で対応するよう求めてきました。
昨年の予算特別委員会で、わが党の井上議員の質問に答えて、教育長が「期限つき教員を少しでも減らして正規教員を充てていく、この方向性についてはぜひとも進めたい」と答弁しています。しかし、2012年に323人であったことに対し、今年度は344人と増えているのです。
教育長がはっきりと、期限付き教員を減らして正規教員を充てていくと答弁しているのに、どうして逆に増えているのですか。
定年前に退職する教員が出てくると、その後任として期限付きで雇用するとか、あるいは国の加配の見通しなどがあるようですが、あらためて質問します。
今年度、定数欠に対して、期限付き教員が増となったのは、どの事情によるものなのか、どういう理由で、何人増えたのか、明らかにしてください。
【教育⑥期限付き】
定年前の退職者の補充として24人、定年後に再任用で働くものと思われていたが予想に反して定年でそのままやめてしまった方の補充として20人とのことでした。
再任用の関係で質問します。
定年後に再任用で働くかどうかという希望を、本人に聞いて、あらかじめ何人再任用で働き、何人は退職するのかということを確定しておくのではないかと思いますが、何月の時点で再任用するかどうか意向調査するのですか、その後再度確認するということはやっているのですか、うかがいます。
【教育⑦期限付き】
7月に再任用の意向調査を行い、11月に再度確認して、再任用する人の人数を確定するとのことです。
具体的には、再任用する予定でいたけれども、やっぱりしないで退職するという教員が、昨年の11月に20人に上った。ですから、その人数に相当する20人を期限付きとして、今年の4月から来年の3月まで、1年間の期限付きとして雇用しているということになります。
昨年の11月に、20人必要だとわかった、今年の4月から採用するのに、期限付きにしなければならなかったのでしょうか、正規教員として雇用すべきではなかったのでしょうか。
この再任用しなかったために、雇われた20人について、なぜ期限付きとなったのか、4月までの日程上の問題があったためなのか、そうであるなら、採用前に健康診断などをなさるそうですが、日程上の事情を明らかにしてください。
まず、通常の日程で採用される教員の日程ですが、採用試験を受けて合格した方が、12月1日から12月20日ころまでに健康診断を受けます。
もし、用精密検査となった場合には、1月15日から25日ごろまでに再検査をうけます。
その結果を受けて、2月に本市教育委員会による健康審査会を受けて、4月1日から採用となります。
一方、再任用する予定だった方が、退職することになり、その相当数の教員を雇う場合ですが、11月末に再任用するかどうか人数が確定します。
予想に反して再任用しないことになった人数に相当する人を、正規採用しようとするなら、12月から1月にかけて健康診断を行い、その結果を受けて再検査を行うと、通常の採用の方と同じように2月の健康審査会には間に合わないかもしれません。
しかし、3月の健康審査会には間に合います。
通常健康審査会は、第4月曜日に行いますから、3月の健康審査会から、4月1日までの採用までに、日数がなく、厳しいかもしれませんが、健康審査会の担当部署に伺ったところ、1週早めることは可能とのことでした。
それならば、再任用しなかった人数に相当する教員は、期限付きではなく、正規で雇用することが可能なのではないですか。
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