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2013年10月1日火曜日

監査委員の選出を公正に

 6月の議会で、監査委員の選出を行ないました。
 その時に、私が質問と討論を行ないました。
 ようやく、議事録が整ったようです。
 以下に、転載します。


2013年6月12日 本会議での質問
◆宮川潤議員 ただいま市長から提案されました議案第22号 監査委員選任の件で質問をいたします。
 質問の第1は、第1会派と第3会派から選出することを提案した理由についてです。
 2年前の第2回臨時会において、市長が、第1会派の自民党議員と第3会派の公明党議員を監査委員として提案しました。
その際、私は、第1会派から議長、第2会派から副議長、第3会派と第4会派から監査委員を選出するのが憲政の常道ではないかと質問しました。
さらに、大会派が地位と権力をほしいままにしたり、数と力に物を言わせた運営を許さず、小会派も応分の権限を持つべき、議会での民主主義を徹底すべきだと主張しました。
憲政の常道について、市長の答弁は、同意できる部分も多々あるとしながら、私がそのことについて意見を述べる立場にはない、提案に対して議会でご議論いただいて、そして、結論、同意をするかどうかということの可否を決めていただくということでした。
 市長は、予算や条例を提案する権限を与えられています。その運用に当たり、横暴は許されず、公正で民主的でなくてはなりませんし、十分な説明責任を果たすのも当然のことです。
議会で同意をすることだから、議会が好きなように決めればいい、市長自身の意見は述べないということにはならないはずです。
権限を与えられて提案する以上、提案内容について説明するのは市長の責任であります。
 議会三役の選出に当たり、第1会派から議長、第2会派から副議長、第3会派と第4会派から監査委員を選出するのが憲政の常道であると思うのですが、市長はなぜそういう提案をしないのか、第1会派と第3会派から監査委員を選出するような提案をした理由をお聞かせください。
 質問の第2は、市長と市議会の公正なあり方についてです。
 本市議会では、長年にわたり、日本共産党に権限を与えようとしない不正常な運営がなされています。
その最たるものがこの議会選出監査委員の問題です。
本市における議会選出監査委員ですが、かつて、保守系会派が大きな議席を占め、自民党が第1会派であり、旧民社党系列の議員を含めた保守系議員による第4会派の新政クラブがありました。
その当時は、第1会派自民党から議長、第2会派社会党から副議長、第3会派公明党から監査委員、そして、第4会派新政クラブから監査委員を選出していたのです。
その後、新政クラブが自民クラブとなりましたが、やはり第4会派であったため、監査委員を選出してきました。
ここまでの監査委員の選出の仕方は憲政の常道にかなったものであります。
 1993年、平成5年、自民党議員の死亡や会派離脱があり、自民クラブと自民党が合体し、それが今日まで継続しているのですが、このときから、第4会派は、保守系会派ではなく、日本共産党市議団になりました。
そして、このときから、第4会派には監査委員を渡さず、第1会派が議長と監査委員、この二つのポストを独占するようになったのです。
前々期までの第2会派だった民主党は、第1会派が議長と監査委員を独占すべきではなく、第4会派から監査委員を出すべきだと言っていたのですが、前期、民主党が第1会派になると、自民党と同様、議長と監査委員を出したのです。
このような、日本共産党に権限を与えない不正常な議会のあり方に、市長は付和雷同すべきではありません。
 私は、先日の議会運営委員会で、議会選出の監査委員の提案に当たって、議会筋と相談したのかと質問したところ、生島副市長は、そのとおりだと答弁しました。
誰に相談したのかはわかりませんが、少なくとも私ども日本共産党市議団は相談を受けてはいません。
市長は、与党や大会派におもねることなく、民主的で公正な確固たる姿勢を示すべきであります。見識のある、道理を尽くした提案説明が求められています。
 今後、議会選出監査委員の提案に当たり、議会と相談する場合には、幹事長会議や会長・団長会議などで公明正大に相談する方法も検討すべきだと思います。少なくとも、与党や大会派にだけ根回しするようなやり方を改めるべきだと思いますがいかがか、伺います。
 以上です。(拍手)

◎市長(上田文雄) 会派による役割をそれぞれ担うべきであるというご主張、これは、議会の中における皆様方のそれぞれのお立場が十分に議論される、その中で慣習というものが生まれてくるのだろう、そんなふうに思っております。
憲政の常道というのも、これも長い議会制民主主義の中で形成をされてきた、そういう歴史が慣習という形でまとまってきたものを指すのだというふうに思います。
 私が就任をして以来、私が議会の皆様方にお諮りをしている監査委員の問題につきましては、これは、議会の皆様方からご賛同を得られる可能性が高いということを察知いたしまして、そして提案をさせていただくということでございますので、一部、ご意見をお聞きするところがなかったかもわかりませんが、その際には、どうぞ議会でご議論をいただいて、そういうことではないんだという意思をお示しいただければ、それでよろしいのではないか、こんなふうに考えているところでございます。
 以上であります。

◆宮川潤議員 私の質問は十分聞いていただけたと思うのですけれども、第1会派と第3会派ということで、ずっと市長は提案をしてきました。
しかし、それは、憲政の常道に照らしておかしいことなのに、そういう提案をするのはどういうことなんだという理由を聞いているのですよ。
議会に諮って、それで、賛同の可能性を察知すると。
つまり、賛成してもらえるのかどうかということを考えたということはわかりましたよ。
しかし、憲政の常道に照らしてどうなのか、大会派が権限を独占するようなやり方は正しくないんじゃないか、市長は、そういう観点からは議会三役の配分についてお考えにならないのでしょうか。
市長が提案するものですから、きちんと説明をしていただきたい。
 それから、議会の一部からは意見を聞くことがなかったということでしたけれども、一貫して聞いていないのではないですか、私どもには。
与党ですとか、あるいは自民党ですとか、私は誰から聞いたのかというのは伺っていませんよ。
前に、誰に聞いたんだと伺ったところ、答えていただけませんでした。
しかし、与党や大会派にだけ根回しするようなやり方というのはやめて、全ての会派ときちんと公平につき合っていくべきだと思うのです。
 ですから、監査委員のことについても、もしも相談するとしたら、全ての会派にきちんと相談をする、こういうやり方に改めるべきではないですか。

◎市長(上田文雄) 特に、根回しをしているわけではないというふうに申し上げたいというふうに思います。大方の意見がどうかということについて私どもが認識を深める、そういう意味での情報提供をしていただいているということでございまして、また、会派というふうにおっしゃっておりますけれども、私は、監査業務ということについて、どなたがなられても、会派的あるいは党派的な立場で監査をされるというふうには考えておりません。
議会の代表者として、事の本質に迫った監査をしていただける、そういうことが期待されていることでございまして、会派あるいは党派的な立場で、政治的なバイアスを持って、立場の違いによって、私は、監査結果が違うとかという状態になるということは想定しがたいというふうに考えているところでございます。
 (宮川 潤議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)

◆宮川潤議員 監査は、会派的、党派的な立場で行うものではないとおっしゃいました。
それはそのとおりなのですけれども、選び方が会派から選んでいると、第1会派と第3会派というふうにずっとなっていますから。
そういう選ばれ方をした人であれば、そういう視点を持つ、そういう立場からの監査を行うということは十分考えられることです。
会派的、党派的な立場でない監査を望むのであれば、選出の仕方もそのような選出の仕方をすべきだと思います。
 以上です。

同日、本会議討論
◆宮川潤議員 議案第22号 監査委員選任に反対する立場で、討論を行います。
 市長が提案した自民党・勝木議員及び公明党・三浦議員が、人物として問題があるという理由で反対するものではありません。(発言する者あり)
市長の人選の仕方、すなわち、第1会派と第3会派からという選出の仕方に問題があるために、この議案に反対するものです。
 なお、議長、副議長選挙でも、同様の趣旨で抗議の意思をあらわしました。
 議長、副議長、監査委員の議会三役の選出に当たり、全国の少なくない議会でトラブルになっています。
その多くは、大会派の横暴で、ポストの独占が行われるためです。大会派が監査委員を内定し、その意向に沿って首長が提案していることが多いようです。
 本市において、かつては、憲政の常道のとおり、第1会派から議長、第2会派から副議長、第3会派と第4会派から監査委員を出していました。
しかし、1993年、保守系の第4会派が第1会派の自民党と統一し、日本共産党が第4会派となりました。
そのときから、第1会派が議長と監査委員を独占するようになり、それが今日まで続いているのです。
 本市議会は、ことし、前期から引き継いだ長い議論と検討の末に、議会基本条例を制定いたしました。
その条例では、これからの道都札幌の誇りある歴史を刻んでいくために、ここに今、みずからが果たすべき役割を強く自覚するものであるとし、本市議会は、少数意見も尊重した議会運営を位置づけ、みずからの改革及び機能強化に継続的に取り組んでいかなければならないと議会自身を厳しく律しております。
また、議会の活動原則を定めた第3条では、多様な市民意見を十分に把握した上で、市民の代表として、公正かつ公平な議論、審議、審査等をし、意思決定を行うことと、少数意見を尊重した民主的運営を取り決めています。
市民の誰から見ても、公正で民主的であり、一層信頼される議会にするために、互いに努力し、見直すべきはしっかり見直そうと、私は、この場から議会各会派と市長に呼びかけるものであります。
 どの政党や政治勢力が第4会派になっても、それが市民の負託の結果によるものであるなら、市民と選挙の結果を信頼し、尊重して監査委員にすべきであります。我々札幌市議会議員がどこの会派に所属していたとしても、その一人一人が、党利党略を排除し、民主主義を徹底することに真剣であることをこの議会で明らかにしようではありませんか。
改めて、大会派がポストを独占しないこと、市長は、与党や大会派におもねることなく、全ての議員、会派と公平につき合うことを求めるものです。
 以上の理由により、監査委員は第3及び第4会派から選出すべきであり、議案第22号に反対します。
 以上です。(拍手)

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