知事は厚真発電所の耐震力については知らなかったようです。また、賠償については「申し上げる立場にはない」との答弁。道民生活と道内産業に対する知事の責任感が問われます。
●宮川質問
大型発電所に依存し、全道ブラックアウトをもたらし、道民生活と道内産業に大打撃をもたらしたことは、北海道でほぼ独占的にエネルギー供給を行なう重大な社会的責任の放棄であり、許されないと思いますが、知事は、北電の責任について、どう考え、どう求めていきますか、明らかにしてください。
▼答弁
電力の安定供給についてでありますが
〇このたびの地震に伴い、一時、北海道全域に及んだ停電は、道民の暮らしや産業活動に重大な影響を与えており、電力事業者としての北電の責任は重いと考えている。
〇先の世耕経済産業大臣との面談では、「今回の震災によって、大規模停電が生じた原因の分析を行った上で、国と道が協力してエネルギー供給の強靭化に取り組むこと」を確認したところであり、道としても、こうした事態を再び生じさせないよう、国と連携のもと、しっかりとした検証を行い、暮らしと経済の基盤であるエネルギーの安定供給に向けて取り組んでまいる。
●●再質問
知事は、「道民の暮らしや産業活動に重大な影響を与えており、電力事業者としての北電の責任は重い」との答弁でした。
大型発電所による経済効率性・儲け優先から、安定供給へ、原発から再生可能エネルギー中心へと転換をはかるとともに、 国に対して、安定供給・分散配置をさせるように求めるべきではありませんか、うかがいます。
▼▼再答弁
電力の安定供給についてでありまずが
〇地域の暮らしと産業の発展に向け、特に積雪寒冷な本道においては、安価で安定的な電力の供給に万全を期することが重要と考える。
〇この度の地震では、現に、国内初となる大規模な停電が発生したところであり、道としては、こうした事態を再び生じさせないよう、エネルギー政策に責任を持つ国と電力事業者である北電に対し、 原因の分析と再発防止策の検討を踏まえて、電力の安定供給に万全を期すよう求めてまいる。
●●●再々質問
再質問で、苫東厚真発電所の「地震の想定が震度5」であり、「低すぎたことは明ら」ではないかと質問しましたが、答弁は「原因の究明を行ったうえで、対策を実施する」と言うだけで、もともと震度5の想定しかしていなかった問題についての見解が述べられませんでした。
あらためて伺いますが、震度5までの想定であったことを知事は知らなかったのですか、今回の停電があって初めて知ったのかお答えください。
ももともと知っていたとするなら、震度5の想定でよいと考えていたのですか、あるいは強化せよと要請していたのですか、うかがいます。
あるいは、今回の停電があるまで知らなかったということであるなら、道内の半分の電力を供給していた発電所の、リスク、地震の際の対応力、安定供給能力を把握していなかったということであり、道民生活と道内産業を守るうえで重大な問題だと考えます。
知事、震度5までと言うことを知っていたのか、知らなかったのか、強化が必要と要請していたのか、いないのか、はっきりとお答えください。
また、北電の泊原発と、安い海外炭を使用している厚真発電所に依存する利潤追求が第一となっており、安定供給が後景に追いやられている問題を取り上げました。
私は、安定した電力供給のためには、中小型発電所の全道へのバランス良い配置が必要だと考えますが、現在の主要な発電所の配置は、北海道の一部に集中しています。
知事は、「安定供給」が電力事業者の重要な考え方の一つとしてあげました。
また、「道民の暮らしや産業活動に重大な影響を与えており、電力事業者としての北電の責任は重い」とも言いました。
さらに、再質問への答弁で「安全性・安定供給等が重要であり、北電においても、こうした考え方のもと電力供給に万全を期していく必要がある」と北電の責任について答弁しました。
私は、北電が、今後安定供給に責任を負うことは当然のこととしても、今回の地震で、道民生活と道内産業に与えた被害に対して賠償責任を負うべきだと考えますが、知事の見解をうかがいます。
▼▼▼再々答弁
苫東厚真発電所についてでありますが、火力発電所の建屋等については、建設時に特定行政庁等による建築確認を受けるほか、火力発電所のボイラーやタービンといった主な発電設備については、日本電気協会が制定した耐震設計規定などに基づき設計され、また発電所の建設については国に工事計画書を届け出たうえで着工するものとされているところであります。
道では、発電設備にかかる技術的・専門的な事項に関する情報提供は受けておらないところであり、苫東厚真発電所については、国などによる原因の徹底的な究明が行われたうえで、必要な対策が実施されなければならないと考えるものであります。
電力は暮らしと経済の基盤であり、安定供給に責任を持つ北電と、エネルギー政策に責任を有する国に対し、引き続き供給体制の万全化を求めてまいる考えであります。
地震に伴う大規模停電についてでありますが、被害に対する賠償については申し上げる立場にはありませんが、北電においては、こうした事態を再び生じさせないよう、原因の分析と再発防止策の検討を踏まえて、万全の対策に取り組んでいく必要があると考えるものであります。
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