10月10日、北海道議会第3回定例会が閉会しました。
私は、知事が提案した議案25件のうち、5件に反対する討論を行いました。
二風谷ダムと平取ダムの建設については、当初540億円の予算でしたが、今回を含め4回の増額で1410億円になります。とても賛成できるものではなく、反対討論を行いました。
採決では日本共産党以外のすべてが知事提案全件に賛成し、可決してしまいました。
以下、私の本会議での反対討論の全文を掲載します。
私は、日本共産党道議団を代表して、知事が提案した議案25件中、議案第5号、第9号、第10号、第18号および第19号に反対する立場から討論を行います。
議案第5号「特定地域等における道税の課税の特例に関する条例の一部を改正する条例案」は、東京23区から企業の本社機能を移転する場合等に減税するものです。
すでに2015年より不動産取得税および固定資産税を10分の1等に軽減してきましたが、地域再生法による実績はわずか1件のみです。
今回の条例改正案は、さらに、不動産取得税および固定資産税を免除するなど、一層の優遇をしようとするものです。減税分の4分の3は交付税措置されますが、4分の1は道の減収となります。
企業の移転が行われるのは、利益が獲得できる見通しのある場合であり、道が税収を減らしてまで優遇するべきではなく、条例案には反対です。
議案第9号「北海道建築基準法施行条例の一部を改正する条例案」は、これまで法の適用を受けない小規模な診療所や老人ホーム等の建築物を含めて防火構造とすることを義務付けていましたが、これを廃止しようとするものです。診療所・老人ホームの性格からも迅速に避難できない人に対する十分な配慮が期待されるものであり、防火構造の廃止には賛成できません。
議案第10号「北海道立学校条例の一部を改正する条例案」は、共和高等学校、滝上高等学校、新得高等学校を廃止するものです。町に一つしかない高校を廃止することは、15歳の子どもが他の町の高校に行かざるを得なくなることであり、若者の減少につながります。
新得町では2017年度の募集停止に向けた地域での説明会で「地域で学びたいと思っている子どもの切り捨て」「地元に子どもがいなくなり、過疎化に拍車をかける」などの声が出ていました。
また、地域から高校がなくなることは保護者や生徒に交通費、通学時間の重荷を負わせることになり、この議案には反対です。
議案第18号「特定多目的ダム法に基づく二風谷ダム及び平取ダムの建設に関する基本計画の変更についての意見に関する件」および議案第19号「特定多目的ダム法に基づく新桂沢ダム及び三笠ぽんべつダムの建設に関する基本計画の変更についての意見に関する件」についてです。
これらの議案は、沙流川総合開発事業および幾春別川総合開発事業の基本計画の変更に関し、知事が意見を述べることについて議決しようとするものです。
そもそも、沙流川総合開発事業の二風谷ダム及び平取ダムは、国家プロジェクトの苫東開発に際し、その工業用水確保という最大の目的が失われたにもかかわらず、次は治水だと目的を切り替えて何が何でもダム建設を進めてきたものです。そのようなやり方に批判が続き、アイヌの聖地を水没させるような行為は違法だと判断されたものです。
当初の工期は1973年から1991年までだったものを2021年までに30年間延長し、事業費は540億円から1410億円へと2.6倍化、870億円増額しようとしているものです。
幾春別川総合開発事業の新桂沢ダム及び三笠ぽんべつダムについては、当初の工期1985年から2004年までを19年間延長し、事業費は700億円から1150億円へと1.6倍化、450億円増額しようとする内容です。
今回を含め、沙流川総合開発事業は4回、幾春別川総合開発事業は3回、計画変更を行おうとするものです。
その都度、知事は「今後の事業費の増額は行わないこと、徹底したコスト縮減を行い、総事業費の圧縮を図ること、ダムの早期完成に努めること」と同じ意見を繰り返してきましたが、事業費が増額し、工期が延長することが繰り返されてきました。今回も全く同じことの繰り返しであります。
知事意見に反する事業費増額と工期延長がこれほど繰り返されて、なお、唯々諾々と従いつづけることはできないはずです。
よって、これらの議案に反対します。以上で、反対討論といたします。
0 件のコメント:
コメントを投稿