最近、偽装質屋が問題になっています。
質屋は、鎌倉時代から続く金融機関で、物(質草)をもって行くと、その価値に応じたお金を貸してくれるところです。
お金を返せない場合でも、取り立てはありません。
預けたものを返してもらわず、あきらめれば、それでよいのです。
質屋さんは、預かったものの鑑定を行ない、保管しなければなりませんし、お金を貸すのは3カ月間と短期間であるため、サラ金の金利(20%)よりも高い109.5%まで認められています。
それを悪用したのが、偽装質屋です。
質草は、「どんな安ものでも構わない」、ときには「100円ショップで何か買ってきて質草にすればいい」と言うそうです。
質草の鑑定などしないのです。
そして、年金の受給額よりも少し少ない金額を貸し、年金が振り込まれると、元金と利息を自動引き落としするのです。
借りた人は、年金のほとんどが引き落とされているため、また借りる。
再び、元金と利息分が引き落とされている。
借りた人はこの仕組みから抜け出せなくなり、際限なく借り続け、元金と利息を払い続けることになるのです。
私の知っている良心的な質屋さんは、「炊飯器を質草として持って来られると、ドキッとするよ。さぞ大変なんだろうなと思って多めに貸すよ」と言っていました。
家族の病気や、親戚の不幸など、急な出費の時に、貸してもらってしのぎたいということがあります。
お金がなくて、切ないことがあるのです。
貸してもらってありがたいのですが、すぐに全額返せません。
月々少しずつ返していけるような、庶民を支えてくれる制度が必要です。
偽装質屋は、少ない年金で暮らしている高齢者から、お金を絞り取り続けるとともに、良心的な質屋さんの信頼まで傷つけるものです。
人の弱みにつけこんで、利子を取り続けることは許せません。
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