「生活保護を受ける人が多くなったために、札幌市の財政が大変になる」という話を聞いたことがありませんか。
しかし、実際にはそうではありません。
8月7日、大都市行財政制度調査特別委員会で、私が質問を行ない、生活保護が札幌市財政を圧迫していないことを明らかにしました。
★宮川質問
生活保護費は、4分の3が国庫負担金として、残りの4分の1は地方交付税交付金として、国から札幌市に来ている。
しかし、札幌市には、高度医療設備を備える医療機関が集中していることもあり、生活保護費の入院医療費分が、国から札幌市に払う金額が不足してきた。
その推移は、どうなっているのか?
☆札幌市答弁
生活保護に関して、国から札幌市に払う分は、20億円から30億円程度不足してきた。
平成20年度から23年度にかけて、国の計算方法で、27%アップさせ、平成23年度から、不足は解消した。
★宮川質問
地方交付税交付金がきちんと払われているのであるから、札幌市としては、「保護費が増えて財政を圧迫している」ということにはならないと思うがどうか?
☆札幌市答弁
交付税において、不足が縮小されることは、本市財政運営にとって大変望ましいことと認識している。
今後とも、不足が起こらないように国に要望している。
生活保護は、国民の最低限度の生活の保障として、国の責任において負担すべきと要請している。
「生活保護を受ける人が多くなったために、札幌市の財政が大変になる」というのは、ウソだということをハッキリさせました。
最低限度の生活を下回った場合には、社会保障として、その生活を守らなければならないのです。
生活保護バッシングで、保護を受けられなくなることは、あってはなりません。
6 件のコメント:
今回の内容、非常に勉強に成りました。
過去の自論としては、そもそも受給者の医療費とは、受給者の多くの世帯では傷病者を抱えている事が多く、それ故に満足な労働収入を得る事が困難である背景のなか、特に高額な医療費が予想される、難病や障がい者の方々の医療費に対し、その生活保護制度上の取り決めにより、国民健康保健に加入出来ない構図が起因し、結果高額な医療費の10割を福祉事務所(保護財源)が負担する形に成っている。
しかし裏をかえすと、受給者が健康保健に加入出来れば、その特に高額な医療費が予想される、難病や障がい者の方々の医療費は、そもそも他の制度により、その全部又は一部が公費により負担される事が大半と成り得るばかりか、一般の医療費に対しても保健適応分負担額(国保なら3割)に対してが保護財源により賄わられる事となり、少なくても保護財源における医療費の割合を大幅に引き下げる事と成ります。(国の公表数字を鵜呑みに試算しても、驚きの金額ですが・・・)
当然、もとより難病や障がいを持つ受給者が自立を果たした場合も、保護廃止を受けた場合も上記に相当します。
ただし、上記を実行すると、保護財源単体では大幅削減を成し得ますが、掛かるべき費用を分散する訳ですから、地方としては不都合も生じ反発も出る事が予想されます。
昨日のブログでは無いですが、国保徴収担当者の仕事も増えるでしょうから・・・・・・。
しかし、分散される事で生み出されるのは、地方にとっての不の側面ばかりでは無く、細分化による各財源の事実上負担軽減や、一部部署での雇用の創出、様々な事が予想されるはず・・・。
(例えば個人事業主の確定申告の一部は笊ですし、税金ばかりか国保とも密接に関係しています)
そして何よりも、国の主張する保護財源とし負担しているとしている金額の軽減やからくりの紐解きにより、 『受給者がバッシングされない』 世の中の形成を優先するべきは無いだろうか。
等と、日々モヤモヤする気持ちでいっぱいでした。
でも、そもそも・・・だったのですね。
今後とも先生の発信には期待しておりますので、弱き者の為にも決して折れずに頑張って下さい。
匿名様
コメントありがとうございます。
専門的内容に踏み込んだコメントだったため、何度も読み返したうえで返信いたします。
遅くなってしまったことはご容赦ください。
私は、原則として、生活保護が医療費の10割全額を支払う仕組みは、いい制度と考えます。
それは、健康保険制度の自己負担分を生活保護が肩代わりするのではなく、医療は「現物給付」という考え方に賛同するからです。
医療を受けることは生きていく上で不可欠であり、生活保護受給者であれ、そうでない人であれ、医療を受ける権利は保障されるべきです。
現実は、国民健康保険料が高くて払えない人が保険証を取り上げられたり、保険証があっても窓口負担(病院代)が高くて、受診をためらう傾向があります。
「医療は社会保障」という考え方に立てば、「現物給付」は理想的です。
日本では「医療は保険制度で」という考え方が現状ですが、医療は「現物給付」こそ安心して暮らしていける仕組みではないかと、思います。
そう考えると「生活保護の医療制度は先進的?」となるのでしょうか?
私自身、まだ研究中です。
おおいに、国民的議論を広げていきたいですね。
メール、本当にありがとうございました。
東苗穂の齋藤です。いつもお世話になっております。
匿名様のコメントの話、興味深く読ませてもらいました。私は現役保護世帯です。
生活保護中に国保に加入して自己負担分を保護の方で。という方法。実は介護保険の方がほぼそれと同じ形になっていると思います。介護保険料は保護からの代理納付。介護サービスは介護保険制度に法って。で、サービス外自己負担分は認定されれば生活扶助に上乗せされます。
宮川市議の考えで行くと、生活保護受給者は介護保険から脱退。そのかわり介護サービスの負担分は介護扶助とでもいいますか、全額保護から。という感じになるのでしょうか。
現実には国保は脱退させられる(未加入が存在する)が、介護保険は強制加入。
その辺の違いもあるのでしょう。
今後どうなっていくのか判りませんが。良くはならない気がします。
宮川先生のブログを再度拝借して本当にすいません。
何時も齋藤様のコメントも、共感をもって読ませていただいております。
この問題に対しては、実は私もかねてより宮川先生の意見に賛成で御座います。
しかしながら、最近の国の発表や報道の成され方の偏りより、制度その物を知らずに、ただただ生活保護バッシングが繰り広げられる構図に疑念を抱く次第ゆえ、人々の理解をと苦悩している次第です。
特にこの問題では、生活保護財源の総額に対し、受給者の医療費がしめる割合の報道が成されると同時に、受給者による薬の過剰取得やその横流し( あくまでレアケースでしか有りません )等の報道が必要以上に成されました。
反面多くの人々は、「受給者は、国保のお金も国から出してもらった上に、タクシー代ももらって通院出来てずるい」
等、受給者の実情とは異なる、受給者の医療費を膨大な物と目の仇にする発言が飛び交い・・・国はそれら意見を民意とし、受給者の医療費の引き下げに舵をきったのです。
その一つとし受給者によるジェネリック医薬品への率先活用を例にとりますが、必ずしもジェネリック医薬品と先発薬とはイコールではありません。
たとえイコールな薬で在っても、精神的な病を持たれた方が、薬を変更するという事にどれだけのリスクが伴うか等、一般の方々に理解を促がす動きも残念ながら、盛んとは言えません。(決してジェネリックが駄目とは考えていませんので御理解下さい)
そこの判断に必要なのは、国の薦めでも民意でも無く、あくまで医師・薬剤師と患者本人の相対的判断によるものでなければいけないのです。
この様に、生活保護制度とは、一般に解り難く、制度自体も間違えて理解されている事が多い現状で、バッシング的意見が飛び交う傾向にあり、それに便乗した改悪が成されようとしている今、少しでも多くの方に制度を理解した上での、良き意見の交換・発展を期待し、更なる改善を心より望む次第です。
宮川先生のブログ内では、あまり声を大にして他党の方の発言を批判する事は好ましくありませんが、御笑い芸人さんのあの事案も、制度を熟知していれば、当時の報道内容をもって、即 「不正受給」 とまでは解釈出来ない(好ましいものでは無い)のが実際のところと判断出来るのです。
なので・・・齋藤様も私も含めみんなで力を合わせ、宮川先生のブログをお借りして(すいません・・・笑)、生活保護制度改善の為、これからも発信し続けましょう。
斎藤様
コメントありがとうございます。
たしかに、介護保険は、医療とちがい、保険に加入させてカネのかかることについて、生活保護から出す仕組みです。
生活保護受給者からみれば、どちらも費用負担がないという点で、変わりがないように感じられるかもしれません。
保護受給者でない場合は、国保も同様ですが、高い介護保険料と利用料に苦しめられています。
ですから、生きていく上で不可欠の医療も介護も、本来は、現物給付が理想的だと考えます。
しかし、受給者以外は、どちらも保険制度です。
日本の政治の現状を見ると、社会保障にはあまりカネを使わない。
そして、「自己責任論」が横行しており、現物給付が遠ざけられております。
私は、保護受給者もそうでない人も、医療、介護、教育などは、現物給付が理想的だと思います。
ヨーロッパでは、これらが現実になっているところもあるようです。
匿名様、再びコメントありがとうございます。
私は一般論として、ジェネリック医薬品の活用で医療費を引き下げる(自己負担のある人は、自己負担も引き下げる)ことは、悪いことではないと思います。
生活保護の人もジェネリック医薬品を使うことは、決して悪いことではないと思います。
しかし、保険の人がジェネリックにしようがしまいが本人の選択とされながら、生活保護の人だけが、ジェネリックを押しつけられるととしたら、差別です。
生活保護の人も、保険の人と同様に、選択の権利を確保されるべきだと思います。
そして、お笑い芸人さんの親が生活保護を受給していた問題ですが、これは、不正受給ではないことは明白です。
保護を受給していたのは生活に困窮していた親であり、別居の息子に収入がいくらあるのかは別問題です。
息子は、多大な収入があるので、扶養すべきですが、息子が扶養してくれない場合に、親が生活保護を受けるのは当然ありうることです。
親(受給者)は、まったく悪くなく、不正受給ではありません。
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