漫画「はだしのゲン」は、戦争と原爆の悲惨さを伝える貴重な作品です。
ところが、島根県松江市教育委員会が、昨年の12月、校長会に、市内の小中学校に学校図書館での子どもへの閲覧や、貸し出しを中止するよう要請していたのです。
松江市内の市立小学校35校、中学校17校のうち、約8割の学校図書館に「はだしのゲン」が置いてあります。
また、鳥取市立中央図書館でも、「はだしのゲン」を児童書コーナーから事務室内に移動していました。
広島県知事は、20日、記者会見で、
「『はだしのゲン』は広島の被爆の実相を伝える資料として、長年、たくさんの人が読み継いできたものだ。
児童や生徒にはこうした資料を通して被爆の実相を理解してもらい、世界の平和と人類の幸福に貢献できる人に育ってもらう事が大事だと思っている。
自由に読んでもらっていいと思う」と述べ、閲覧制限は適当でないという考えを示しています。
毎日新聞は、社説で、
「・・・戦争の恐ろしさを知り、平和の尊さを学ぶことは、教育の中でも非常に重要な要素だ。
平和教育を推進すべき教育委員会が、それを閉ざす対応を取ったことには問題があり、撤回すべきだ。
・・・『はだしのゲン』は、戦争が人間性を奪う恐ろしさを描いた貴重な作品として高い評価を得てきた。
約20カ国語に翻訳され、原爆被害の実相を広く世界に伝えている。
作品に残酷な描写があるのは、戦争や原爆そのものが残酷であり、それを表現しているからだ。
行き過ぎた規制は表現の自由を侵す恐れがあるだけでなく、子どもたちが考える機会を奪うことにもなる」としています。
私ども日本共産党札幌市議団は、緊急に、札幌市と教育委員会に申し入れを行ないました。
内容は、①市立の学校図書館、②札幌市中央図書館・各地区図書館、③各区民センター図書室・地区センター図書室で、閲覧制限をおこなわないこと、です。
札幌市と教育委員会は、「『はだしのゲン』の閲覧制限は行なわない」と約束してくれました。
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