札幌市議会予算特別委員会で、「高い国民健康保険料を引き下げよ」ともとめました。
市は、「引き下げるつもりはない」とのことでしたが、引き下げは可能なのです。
札幌市では、「平均保険料を据え置く」ために、一般会計から国民健康保険会計に、繰り入れを行なっています。
昨年の決算特別委員会で、
「2011年度の一般会計から国民健康保険会計はの繰入金は、95億円の予算だったが、67億円しか繰り入れておらず、28億円少ない。
この28億円を、国民健康保険料の引き下げに使ったら、1世帯当たり9,300円下げられたはず」と質問しました。
このとき、市は「外的要因によって(国からの交付金が多かったので)、繰入金が少なく済んだ」と、言っていました。
私は、「外的要因」という言葉によって、国からの交付金が多かったのは、「たまたま2011年度の場合は・・・」という偶発的印象を持ちました。
ところが、調べてみると、国からの交付金が多かったために、一般会計から国民健康保険会計への繰入金を、予算額より減らしたのは、2011年度だけではなく、2009年度から3年連続だったのです。
2009年度 82億円 繰入削減
2010年度 41億円 繰入削減
2011年度 28億円 繰入削減、24億円積立(※)
※2011年度は、28億円の繰入削減でした。精査してみると、国民健康保険会計から「国民健康保険支払準備基金」という積立金に24億円回していることがわかりました。この分を合わせると、「52億円カネに余裕があった」ということになります。
以下、「24億円の積立をしなかったので、52億円繰入が少なかった」ものとして記述します。ご注意ください。
繰入金を減らすのではなく、その分を、国民健康保険料の引き下げに回したと計算すると、
2009年度の場合、82億円 ÷ 30万世帯 = 2万7千円
2010年度の場合、(同様の計算で) 1万4千円
2011年度の場合、1万7千円
今後も、国からの交付金が多かったら、国民健康保険料の引き下げに踏み込むべきではないでしょうか。
札幌市では、2001年度には、一般会計から国民健康保険会計に、141億円繰り入れていました。
ところが、2011年度は44億円で、97億円も繰入金額が減少しています。
もし、2011年度に97億円繰入をしたとするなら、53億円、国民健康保険料の引き下げに回すことができます。
53億円 ÷ 30万世帯 = 1万8千円引き下げ
このような保険料引き下げを実施するかどうかは、市の政策判断の問題です。
けっして、「カネがないからできない」という問題ではありません。
市が、「国保料が高すぎる」という考えを本当に持つように、押し込んでいくのが、市民と議会の役割です。
2 件のコメント:
市政情報が毎日のように伝わるので見ています。
国保料が異常に高いです。
私は昨年千葉市から転居してきましたが、同じ収入で千葉市では31万2100円でしたが、札幌市では47万円にもなります。
市の予算説明には、「一般会計から一世帯あたり保険料を軽減するための繰入金86億円を含めて、総額230億円の繰入れを受けます」と書かれています。
市は保険料が高いという認識をもっているのか、
軽減をするためと言いながら、軽減のためになぜ全部使わないのか、
総額230億円の繰入れは、他に何に使われるのか、
疑問に思いましたので教えてくださると幸いです。
匿名様
コメントありがとうございます。
国民健康保険には、「法定繰入」と「法定外繰入」の2種類の繰入金があります。
「法定繰入」は、国民健康保険の基盤安定や人件費のためなどに、使われています。
「法定外繰入」は、市町村の裁量で、保険料をあまり高くしないために使われています。
ですから、保険料との関係があるのは、「法定外繰入」で、230億円のうちの86億円です。
これを多くしないと、保険料は安くなりません。
札幌市は、「国保料は高い」と言っています。
しかし、「平均保険料を据え置くために法定外繰入をしている」として、「引き下げ」という考えにはなっていません。
「引き下げなくてはならない」という市長の政策判断が必要なのです。
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