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2013年3月13日水曜日

札幌市新年度予算案に対する見解


 札幌市の新年度予算について、「北海道自治体問題研究所」の依頼にこたえて原稿を送りました。
 それを転載します。(少し加筆修正します)

札幌市の予算
札幌市議会議員(日本共産党札幌市議団幹事長) 宮川 

 国や自治体の予算や財政問題を理解するためには、専門的知識と市民感覚(私は、プロの目とアマチュアの目と言ったりしています)の両方を必要とします。
 福祉や教育などの分野は、議員になる前からの生活感覚が通用しますが、予算書は、議員になって初めて見たので、最初はチンプンカンプンです。
 まず、数字の桁が大きすぎて、「○○事業費○億○千万円」と聞いても、多いのか少ないのか、感覚がつかめません。
 この文章は、「財政問題はよくわからない」という方のために書きます。

一般会計は8千億円台
 札幌市の新年度予算ですが、一般会計8686億円、全会計では14737億円。(ね、多いのか、少ないのか、感覚がつかめないでしょう)
 「全会計」というのは「一般会計」(福祉・教育・建設など様々なことに使われるお金)と、「特別会計」(国民健康保険会計や介護保険会計など少し独立採算的なもの)、「企業会計」(地下鉄や市立病院など独立採算的な考え方をしているもの)を合計したもので、札幌市が使うお金(市がやること)の全部です。
 一般会計は、使われ方が幅広いので、市長や市議会の政策が反映しやすいとも言えます。

市に直接払う税金と、国を経由して市に渡る税金がある
一般会計の、32%は「市税(市民税、固定資産税など)」でまかなわれ、国から受け取る「地方交付税」は11%、「国庫支出金」が21%。
 北海道からの「道支出金」は4%しかありません。
 11%は「市債(しさい)」つまり借金です。
 新年度952億円借りて、915億円返すので、37億円借金が増えることになります。

国が交付税を払えないから、市が借金している
 借りる952億円のうち、工事などに使うのは307億円、国が本来出すべき地方交付税を少ししか出せないため「どこかから借りておけ。その分は後で出すから」という「国の肩代わり借金」(正式名称「臨時財政対策債(りんじ・ざいせい・たいさく・さい)」)645億円もあります。(過去最高。国にお金がないということですね)
 ちなみに「全会計」の借金の残高は17535億円、1世帯当たり193万円です。

 税金を何に使っているのか
 一般会計予算を何に使おうとしているか、おおまかに書きます。
 「保健福祉費」(福祉・医療・年金・保健衛生など)38%。経済費(中小企業向け融資、雇用対策など)10%、土木費(道路工事、除雪、公園など)9%、教育費(学校・幼稚園など)4%、環境費(温暖化対策、廃棄物など)2%、公債費(借金の返済)11%など、です。
 今後、高齢化が進行するので、介護や高齢者向け住宅の充実、クルマが無くても暮らせるまちづくりを進めていかなくてはなりません。

 若い職員が増えて、人件費が下がっていく
 地方公務員の退職金を減らすことを決めたために、減らされる前に、年度途中の駆け込み退職が問題になりました。
 札幌市では、年度途中での減額はしませんが、新年度から減額します。
 市は、職員数を減らすこと、年配の職員が退職して若い職員を補充することで人件費が減ることを見込んでいます。
 人件費が最も高かったのは、1999年の1198億円でした。
 新年度は、902億円(1999年の75%)。2016年度には845億円(同72%)に下がるとみられています。

値上げの問題
 行革の札幌版である「札幌市行財政改革推進プラン」に基づき、各種の値上げ・市民負担が新年度予算に計上されています。
 以下は、問題があるため、私ども日本共産党が反対し、阻止しようとしているものです。
 市営住宅の家賃減免制度を改悪することで9000万円の収入増をたくらんでいます。
 市営住宅の家賃減免制度を利用できるのは、おおむね生活保護水準以下の世帯です。
 最低生活費をさらに割り込むことになる、弱い者いじめの値上げです。
 市議会に、家賃減免制度の改悪に反対する趣旨の陳情が187団体(そのうち市営住宅団地自治会が29団体)から提出されました。
 ていねプールは、子どもと高齢者が無料で利用できますが、これを有料化して890万円、川下リラックスプラザの障がい者浴室利用の有料化で441万円、介護事業所の指定・更新手数料を新たに徴収することで1446万円です。

埋蔵金がある
 「値上げに反対すのは結構だが、代わりの財源はあるのか?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
 北電の電柱、NTTの電話柱が、市道上に立っているため、市に地代(道路占用料)を払っていますが、2009年に13億円も値下げしました。その後、18400万円値上げしたものの、差し引き111600万円も安くなっています。
 これを元に戻すべきです。
 「土地開発基金」という積立金が652億円あります。
 公共用地を買うための積立金ですが、「200億円もあれば十分」と市自身が認めています。
 452億円使うことができることになります。
 これを活用すれば、各種の値上げをしなくても済むはずです。
 また、高すぎる国民健康保険料を引き下げることができるはずです。

札幌市の財政・予算問題について、ごく一部ですが、みなさんにお知らせしてきました。
 ぜひ興味を持っていただければ、幸いです。
 私ども日本共産党市議団は、予算について、掘り下げて検討する(プロの目)とともに、市民感覚・市民目線(アマチュアの目)で評価し、いいものはいいダメなものはダメときっぱりした態度を貫きます。

1 件のコメント:

まゆゆ さんのコメント...

お久しぶりです。まゆゆこと、橋本と申します。
宮川さんのブログは、今迄、解りにくかった金額的、数値的なことを解りやすく解説してくれているので、有難いです。
こういったレクチャーを他の方も実行してくれるといいですね。
それと共に、演説等の動画もアップしてくれるとベターですね。
全くしつこいようですが、こんな情報をツイッターやフェイスブックでアップしないのは勿体無い! 
パソコンでも、スマホでも、時間が少しあれば可能なことなので、懸案として頂けると宜しいと思います。
今年は、雪が多く、春が遅いようですが、これからのご健闘をお祈り致しております。