1月20日、マンションの管理会社が「連絡が取れなくなった」と連絡し、白石署員が40代の姉妹の遺体を発見。
料金滞納により、11月末にガスが止められていました。このマンションは、ガス暖房のため、暖房が使えなくなっていました。
姉は、何枚も服を着たうえにジャンバーを着た姿で、12月下旬ころに脳内血腫で死亡。知的障がいのある妹は、一人で生きていくことができず、やせ細り、1月下旬ころまでに凍死。
さらに、1月には、電気も止められていました。
冷蔵庫の中に、食糧はなかったそうです。
姉妹の両親は亡くなっており、姉は失業中、妹の障害年金だけでは暮らしていけませんでした。
どうすれば、こうした事件を繰り返さずに済むでしょうか。
調査したところ、お姉さんは、白石区役所の生活保護の窓口に3回行っています。その内容は、以下のようになっています。
---1回目は、2010年6月1日。---
生活保護の相談に来所した。
2009年10月まで働いていた会社を、体調不良のため、退職した。今後の生活が不安。
求職活動をしている。
健康保険は任意継続。生命保険あり。
これに対して、区役所側は~~~能力・資産の活用等、生活保護制度全般について説明した。生活保護の2人世帯は、家賃4万6千円以内の所に住むことになっているが、あなた方の住んでいるところは5万円という趣旨の話。
懸命なる求職活動を伝えた。仕事も決まっておらず、手持ち金もわずかとのことで、後日関係書類を持って再度相談したいとして、本日の申請意思は示さず退室となった~~~
---2回目は、2011年4月1日。---
4月8日にお金が入る予定があるが、手持ち金が少なく、食糧も少ないため、それまでの生活相談に来た。公共料金は待ってもらっている。
これに対して、区役所側は~~~非常食用のパン14缶(7日×1食×2人)を支給。生活保護相談に至らず退室。
---3回目は、2011年6月30日。---
生活保護の相談に来所。
求職活動しているが決まらず、手持ち金も少なくなり、生活していけないと相談に来たものである。
国民健康保険未加入。以前は社会保険の任意継続に加入していたが、保険料を払えず、喪失。
生命保険に加入していたが、保険料を払えず解約した。
活用可能な資産はなし。
負債は、家賃、公共料金の滞納分。
これに対して、区役所側は~~~能力・資産の活用等、生活保護制度全般について説明。
生活保護の2人世帯は、家賃4万6千円以内の所に住むことになっているが、あなた方の住んでいるところは5万円という趣旨の話。
懸命なる求職活動を伝えた。
手持ち金も少なく、次回は関係書類を持って再度相談したいとのことで、本日の申請意思は示さず退室となった~~~
----以下、私の見解----
まず、2回目の相談についてです。
「食べるものがない」という人に、非常食のパンを持たせて帰したというのです。しかも、1日に1食分です。1食というのが、パン何枚なのかわかりませんが、1日1食・パンのみで7日間過ごせというのが、区役所の対応だったのです。信じられません。
次に、1回目と3回目の相談についてです。
文章が、全体に非常に似通っています。
つまり、区役所保護課の決まり文句なのでしょう。
出だしで、「生活保護の相談に来所」。
この「相談」がポイントです。つまり、「生活保護の申請に来た」のではない、と言いたいのです。
話を聞くだけ聞いて、「生活保護制度全般について説明」したことをもって、相談に応じたことにして、「懸命なる求職活動」(働きなさい!)を伝えて、帰したのです。
「生活保護を受けたい」人が、区役所で何と言うでしょう。普通、「相談したい」と言うでしょう。
「相談したい」と言って、「申請したい」という言葉を言わなければ、「本日の申請意思は示さず退室となった」とされてしまうのです。
おまけに、あなたの住んでいるところの家賃は生活保護の基準よりも高いなどと言われたら、どうしていいのかわからなくなるでしょう。
そして、1回目の相談に時には、健康保険も生命保険もあったのですが、3回目の相談の時には、どちらもなくなっていることが確認されています。生活が苦しくなっていく様が明らかではありませんか。
「国民健康保険に入りなさい」と、生活保護の担当者は言ったのでしょうか。縦割り行政なので、国保のことは言わなかったのでしょうか。
生活保護課に「相談に行く」ということは、「申請の意思がある」ということと受け止め、さらに、「手持ち金も少なくなり、生活していけない」と言っているなら、申請させるのが区役所の仕事ではないでしょうか。
市は、生活に困窮するものに対して、生活保護を実施しなくてはならないと法律で定められているのです。
※生活保護法
第1条 この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
第2条 すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。
第19条 都道府県知事、市長及び社会福祉法(昭和26年法律第45号)に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)を管理する町村長は、次に掲げる者に対して、この法律の定めるところにより、保護を決定し、かつ、実施しなければならない。
1.その管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する要保護者
2.居住地がないか、又は明らかでない要保護者であつて、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの
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