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2013年1月2日水曜日

大晦日の当番医院


 私は、大晦日の紅白歌合戦の半分以上を、休日当番医の待合室のテレビで見ました。娘が受診する必要があり、午後4に、休日当番医に付き添って行ったのです。


当番のクリニックのあるビルの6階で、エレベーターのドアが開いた途端、目の前の光景にぎょっとしました。

待合室に入りきれず、あふれ出た患者が、エレベーターホールを埋め尽くしていたのです。

そこにパイプ椅子が3脚のみ。床の上に座り込んでいる患者はまだいい方で、床に直接横になっている患者も4人いました。その多くが、咳をし、荒い呼吸をしていました。

黄色いダウンジャケットの男性は、屋内なのにフードを深くかぶり小さくうずくまっていました。高熱を出しているのでしょう。
別の男性は、前かがみで、額を壁に押し付けるようにして立っていました。
 横になって動かなかった女性が、小さな、若い声で、携帯電話をかけました。「ノロウイルスかも知れません。しかし、まだ診察を受けられないので、どうなるか、わかりません」
 母親に付き添われて来ていた20代の男性の電話は「インフルエンザみたいです。いつから出られるかわかりません」
 2人とも、正月中も、あるいは元日から、仕事に出なければならない職場なのでしょうか。

床に横になっていた30歳くらいの男性が、持っていたペットボトルを、音をたてて床に落とし、トイレに行きました。その後も、何度か行き、大変だったのでしょう、トイレの前で横になってしまいました。

午後5時きっかりに、白衣の男性が、クリニックの入口のドアに「午後5時で受付は終了します。午後7時から、夜間急病センターが始まります」という貼り紙を手際良く貼り、開いていた入口のドアを閉めて行ってしまいました。 ・・・「ここ(エレベーターホール)にも待っている患者がいるのに、閉めることないじゃないか」

 私が休日当番のクリニックに来て約1時間、診察が終わって帰って行く患者はほぼ皆無だったと思います。 …「診察は遅いのに、受付を閉める時間は正確だ。午後5時から7時の間は、大都市札幌が無医村のようになるのか。ここにいる患者は5時前に受付をしているから、このクリニックを受診できるが、いったい何時までかかるのか」

看護師が忙しそうに、エレベーターホールに患者の名前を呼びに来ました。
若い女性が細い声でようやく返事をした時、看護師はすでに踵を返していました。
その時、苦悶の表情で横になっていた男性が「いますよ!」と言い、女性患者の方を指さして、看護師に教えました。

午後620分、男性職員が、エレベーターホールに椅子7脚を持って来てくれました。 …「椅子があったのか。なぜ今頃になってから」
椅子があっても、体を起こすのが大変なのでしょう。4人の患者は、床に横になったままです。

私の近くで腰かけていた男性が、床に降り、寝転がりました。
そして、左の足首から先を細かく動かしていると思ったら、体の向きを変え、私の方を向きました。呼吸の荒さが伝わってきます。そばに、ミネラルウォーターのペットボトルが2本転がっていました。

話しをする者はいません。聞こえるのは、咳と荒い息づかいばかりでした。

苦しそうな息をしながら横になっている男性に付き添っている妻が、夫の首のあたりに触れ、小声で「さっきより、ずっと熱くなっている。クリニックの中の方が、暖かいから行くかい?」と聞くと、夫は「いや、横になっている方がいいから、ここでいい。お前こそ、寒くないのかい」と聞きました。

午後4時に、受付に保険証を出し、720に、看護師から、問診票を渡されました。 …「終わるのは、9時を過ぎるだろうな」

午後810、保険証を戻されました。
クリニックの待合室に入ると、15人程が待っており、満席でした。
しかし、エレベーターホールよりは暖かく、テレビがあり、紅白を見られるのが、せめてもの救いです。

午後920、診察に呼ばれ、診察の終わり時間は、928
会計ができたのが、935。調剤薬局で薬ができ、すべて終わったのは、944でした。


大晦日に当番医にあたったクリニック・薬局の職員の方々は、本当に大変だったと思います。お疲れ様でした。

そして、受診した患者さんたち、一日も早く健康を回復してほしいです。

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