私と佐野道議、医療・福祉・労働組合関係者で、新ひだか町に行きました。
日高地方の町議さんたちに集まっていただき、地域医療の実態について聞き取り調査です。
以下、聞き取った概要をご紹介します。
浦河町では、日高地方の中心的医療機関の日赤病院は、重症者、整形外科、眼科などを診療しています。
病床は192床ありますが、全病床が稼働しているわけではありません。
夜間・救急を受け入れていますが、脳外科・心臓血管外科は2時間かけて苫小牧へ搬送します。脳梗塞や心筋梗塞の患者の治療に時間がかかることは問題です。救急搬送中に死亡する例も発生しています。
十分な医療を受けられないため、今年に入ってからも、高齢者世帯が何世帯か札幌に転居しました。
様似町では、入院施設はなく、外来のみとなっています。
えりも町国保診療所で入院できますが長期入院は難しいです。えりもの住民は広尾の医療機関にかかる人もいます。
新冠町の診療所は、現在は外来のみとなっています。
新ひだか町の三石と静内に町立病院があるが、どちらも赤字で人手不足となっています。
三石国保病院前から、静内の国保病院行きバスと、逆方向の浦河日赤行きのバスが隔週で運行しており、利便性に難があります。
マイカーで苫小牧の産婦人科へ向かった妊婦が移動途中で出産したことがありました。町内に婦人科があり妊婦検診はできますが出産は苫小牧または浦河町に行くことになります。
日高町の平取で、産気づいた患者がマイカーを運転して富川まで行き、そこから救急車に乗り換え、高速道路で苫小牧に向かおうとしましたが、その途中で破水したことがありました。
ドクターヘリは、夜間は飛ぶことができず、救急車からドクターへ入りへの引き継ぎに時間がかかることがあります。
子ども医療費助成について、浦河町では高校生以下は医療費相当額が商品券として支給されます。日高町では中学生以下で現物給付が行われます。新日高町では中学生以下は医療費相当分の商品券として支給されています。商品券は、町内で使用することができ、商店からの要望もあり実施されているようです。
根本的に、医療資源が決定的に不足している問題があると感じます。また、地元の産業が衰退化し、若者の勤め先がなかなか見つからず流出をまねいていますが、医療介護分野は雇用効果が期待できるはずです。
新冠町では、移住者への各種補助制度を用意し、人口減少対策に一定の効果がみられます。まちづくりのヒントになるのではないでしょうか。
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