その質問と答弁を、項目ごとに分けて、ご紹介しています。
都道府県が、地域医療構想を策定することになっています。
そこでは、入院ベッドを削減することが心配の種になっているのです。
私は「医療難民は出さないことを約束してほしい」と知事に質問しましたが、知事は、「医療難民」という言葉は言いませんでした。
心配が残ります。
○30番宮川潤君
次に、地域医療構想について質問いたします。
政府は、全国で15万床から20万床の病床を削減するという方向を打ち出しました。北海道では、1万床から1万5000床もの削減と見られています。これは、医療費抑制を目的にしたものであり、国民の命と健康を守るために医療機能の充実を図るものではありません。
国は、病床が休眠状態だと指摘していますが、医師、看護師が不足しているがゆえに、病床を活用したくてもできない実態があるのです。
今も、入院したくてもできないとか、入院しても、診療報酬の関係で、本人も医療機関も不本意ながら、退院という例がちまたにあふれていることを御存じですか。それとも、道内の病床は過剰だとお考えですか、知事の御見解を伺います。
今後、人口減少が進んでも、高齢者は増加していきます。病床の機能分化といっても、病床の総枠減少を前提にしている以上、医療を受けられない医療難民が生まれることは明らかです。
必要な医療を受けられない事態は絶対にあってはならないと考えますが、いかがですか、知事の御見解を伺います。
医療関係者からは、実態を無視して病床が減らされる危険があるという不安の声が上がっています。
医療需要があるのにベッドを稼働できない実態を無視した国の病床削減に対して、再考を求めるべきと考えますが、いかがか伺います。
北海道が地域医療構想を策定する際、入院したくてもできないという潜在的医療要求を地域医療構想に反映させ、国の方針をなぞるのではなく、道民の命と健康を守る立場を明確にした、道独自の医療構想とすべきですが、いかがか伺います。
○知事高橋はるみ君
次に、地域医療構想の策定についてでありますが、道民の方々が、住みなれた地域で将来にわたって必要な医療を安心して受けていただくためには、広域分散型で高齢化が進行する本道の実情に合った、バランスのとれた医療提供体制を構築していくことが重要であります。
このため、今後、道においては、国から示されるデータをもとに、医療需要の将来見通しを立てるとともに、各地域において、市町村や医療機関、関係者による議論を深め、地域医療の確保に向け、各地域の実情を十分に反映した地域医療構想の策定に取り組んでまいる考えであります。
なお、本道の病床数とその他の項目については、担当の部長から答弁をさせていただきます。
○保健福祉部長村木一行君(登壇)初めに、地域医療構想に関し、まず、本道の病床数についてでございますが、このたび国により示されました病床に関する推計は、今後の人口動態などを踏まえた医療需要や、慢性疾患の増加などの医療の内容の変化をもとに、2025年において必要とされる病床数を推計したものでございまして、病床を強制的に削減するためではなく、地域において医療提供体制の将来像を議論していただくために示されたものと承知いたしております。
個々の患者の入退院につきましては、それぞれの医療機関において、医療の必要性に基づき判断されるべきものと考えており、また、道内の病床数につきましては、全ての2次医療圏におきまして、医療法に基づく、圏域ごとの病床の整備目標でございます基準病床数を上回っているものの、今後の少子・高齢化の進展や疾病構造の変化を踏まえ、患者の方の状態に即した医療を提供できる体制を構築していくことが重要であると認識いたしております。
次に、医療提供体制の確保についてでございますが、地域医療構想の策定に向けましては、今後、道が推計を行います、2025年における医療需要等の客観的なデータをもとに、医療機関や市町村など関係者による議論を行っていく予定でございます。
また、地域医療構想の実現に向けましても、各地域の関係者で協議を行いながら進めていくことが基本とされているところでございまして、道といたしましても、円滑な協議の推進に努めてまいる考えでございます。
次に、必要な医療の確保についてでございますが、地域医療構想の策定は、2025年を見据え、それぞれの患者の方の状態に即した適切な医療を受けられる体制としていくことを目指すものでございまして、国が示した推計におきましても、医療提供体制の整備につきましては、10年程度かけて、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等の医療・介護ネットワークの構築と並行して進めていくものであり、直ちに、現在の療養病床の急激な削減を行ったり、現在入院中の患者を追い出したりすることを強制するものではないとされているところでございます。
道といたしましては、広域分散型で高齢化が進行する本道の実情に合った、バランスのとれた医療提供体制を構築することにより、道民の方々が、将来にわたって必要な医療を受けられるよう取り組んでまいる考えでございます。
○30番宮川潤君(再質問)
地域医療構想についてですが、病床削減の根本問題は、国が社会保障の予算を削減していることにあります。介護報酬の削減で介護サービスが縮小されつつある現状に鑑みると、入院病床の削減は、必要な医療を受けられない医療難民を生み出すことになります。
北海道の地域医療構想を策定するとしても、医療難民を生み出さないことを大前提にすべきですが、知事は、道民に対して、医療難民を出さないことを約束していただけますか、明確な答弁を求めます。
○知事高橋はるみ君
次に、必要な医療の確保についてでありますが、地域医療構想の策定に当たっては、地域医療の確保に向け、各地域の実情を十分に反映した構想となるよう、市町村や医療機関、関係者による議論を行うこととしており、広域分散型で高齢化が進行する本道の実情に合った、バランスのとれた医療提供体制を構築することにより、道民の方々が、将来にわたって必要な医療を受けられるよう取り組んでまいる考えであります。
○30番宮川潤君(再々質問)
地域医療構想にかかわって、医療難民が出ることになるのではないか、出さないと言えるのかと質問いたしましたけれども、明確な決意は示されませんでした。
道が病床削減を進めていく立場に立ってはならないと思うのですけれども、いかがか、知事の見解を伺います。
○知事高橋はるみ君
次に、必要な医療の確保についてでありますが、地域医療構想は、病床を強制的に削減するためのものではなく、その実現に向けては、各地域の関係者で協議を行いながら進めていくことが基本とされております。
道といたしましては、広域分散型で高齢化が進行する本道の実情に合った、バランスのとれた医療提供体制とともに、医療と介護が連携した地域包括ケア体制を構築することにより、道民の方々が、将来にわたって住みなれた地域で必要な医療や介護を受けられるよう取り組んでまいる考えであります。
2 件のコメント:
「国栄えて民滅ぶ」と指摘されて久しいが北海道の郡部からは将来の医療・教育等を考えて札幌の地下鉄沿線の人口の大移動が進み、残念がら移転が不可能な方が住みつつげている。
新幹線は限界集落を通過して青函トンネル・室蘭の白鳥大橋の二の舞が想定される。
医療難民・医療遺棄は今年2月に札幌市東区で起こった介護殺人が現実に発生している。
お年寄りは戦争を生き抜いた先輩である。
自公政権が強行する各種の医療制度改悪、介護制度の後退を阻止いて頂きたい。
匿名様、コメントありがとうございます。
政府は「地方創生」などと言っていますが、日高線は不通のまま、留萌線の廃止を検討。
介護報酬は引き下げる(介護施設が廃業する危険)、地方の病院を減らす・・・これでは、地方は消滅してしまいます。
平和を守るたたかいと同時に、地域を守るたたかいも進めていかなくてはなりません。
お力をお貸しください。力を合わせましょう。
コメントを投稿